大学生が社会に適応する際によくある思い違いとアドバイス
大学生が社会化について陥りやすい誤解とアドバイス
社会への幻想や誤解、「高機能」についての誤解、「社会化」そのものについての誤解、「うまくやっている」ということへの誤解、名声や利益、虚栄への執着。
一、偽りの、誤解された、思い込みによる「社会化」
(一)心の知能指数(EQ)=世渡り上手で、誰にでも調子よく合わせられること
誰からも好かれるなどということはない。アンディ・ラウやジェイ・チョウでさえ、好きではない人はたくさんいる。自分なりのスタイルを持っていれば、そのスタイルを好まない人は必ずいる。
飲み会の文化は、そこまで重要ではない。
口先だけでうまく立ち回っても、好かれるわけではない。口数が多く、聞こえのよいことを言ったり、相手に取り入ったりしても、必ずしも好かれるわけではない。
ずる賢さと、物事を見通すことは違う。世間の事情を知りながらも、世俗に染まらずにいること。
人情に通じているとは、ただ自然に対応できるということだ。何事も、人情にも道理にもかなうことを大切にする。
EQとは、でたらめな話を作ることではない。EQとは、自分をいたわる能力だ。自分を愛し、自分を養う力のある人こそ、他人を愛し、他人を養う力を持てる。
(二)暗黙のルール
暗黙のルールは、地雷を避けるためのものであって、近道ではない。
(三)お金を稼ぎ、財を成すこと
お金が好きで、お金を稼ごうとすれば豊かになれる、というものではない。「お金の話や金儲けが好きな人」や「成功哲学を説く人」が、「身近なお金持ち」や「高級車に乗る人」と重なって見えるのは、ただ幸運な人が目立つという効果か、作られた人物像によるものだ。
財は、焦る者のもとには入らない。お金を稼ぎたいと強く思いすぎる人は、あちこちで失敗の授業料を払うことになる。運や血と汗で稼いだお金を、「実力」で失う。
人生でお金を稼げるかどうかは、100%、運命次第だ。あらかじめ決まっているという意味ではなく、先は分からないという意味だ。
大まかに言えば、第一に景気のサイクル、第二に業界、第三に役割による。その大半は自分の意思で選べるものではなく、巡り合わせ次第だ。
努力していない人などいない。何を得られるかは運命次第だ。誰もが人事を尽くしているのに、天命を安んじて受け入れられずにいる。
(四)自分をねじ曲げ、靴に合わせて足を削る
子どもや学生として、相手の機嫌を取り、従い、迎合し、決まりや基準に合わせることに慣れてきた。
自分をねじ曲げ、いびつになってしまった人は、遠くまで進めない。主体性はとても重要だ。
二、「社会化」の理解が誤った方向に進む、よくある原因
1.社会の疎外、労働の疎外
以前の記事:『プチブル的な生きづらさ』『地方の受験秀才の生きづらさ』
大学は仕事やキャリア設計から遠く離れていることが多く、教育体系が象牙の塔に閉じこもり、現実と乖離しているといった問題がある。
多くの学生は、プチブル的な生きづらさを深刻に抱えている。投機的な傾向も非常に強い。
2.学生たちの大きな孤独と戸惑い。誰もが友人を求めながら、友人が足りていない
この「孤独+戸惑い」が、学生に「社会化」への非現実的で、躁的な幻想を抱かせる。
これには多くの要因がある。以前の記事『大学生の基本的な矛盾』『大学生の戸惑いによくある一つのケース:実存的危機』
『プチブル的な生きづらさ』『地方の受験秀才の生きづらさ』
3.恋愛、結婚、家庭をめぐる戸惑い
前述の実存的危機とも関係があり、さまざまな心の傷や心理的課題とも関係がある。
生まれ育った家庭を救おうとするコンプレックス、超人やエリートであろうとするコンプレックスなどは、いずれも虚栄や功利を重視する傾向を強める。
三、適切な社会化
(一)人格の核の成長と成熟
以前の記事『普通の人の心の成長』『心理学:おすすめの本と個人発信メディア』『普通の人が本来の十全さを感じるには』
『私のマルクス+荘子+心理学の思想体系の概説』
『心の力/リビドーが運命を決める』『私の構造:実在する私がリビドーに寄り添う』
(二)一般教養教育
偏った狭いものではなく、健全な世界観・人生観・価値観と認識の体系を築く。健全な金銭観を築く。
『働く人のための一般教養ブックリスト』
『社会の下層で働く人々の素朴な真・善・美とつながるには』『普通の人が本来の十全さを感じるには』
(三)人生の五つの要素を探求する
学業、仕事、人付き合い、身体、心。
学業や仕事では正道を歩み、まっすぐ進む。一人の人間の「社会化」は、結局のところ、その人が社会にプラスの価値を生み出せるかどうかにかかっている。
プログラマーは一般に同世代よりはるかに収入が高いが、同世代の言い方では「社会化が不十分」とされることも多い。しかし実際には、十分に社会化していることも多い。学術やエンジニアリング、意思疎通や調整の能力、技術・業界・将来の展望に関する見識、階層や地域を越えた人付き合いなどが、その例だ。
(四)学生へのアドバイス
1.キャリア設計を、繰り返し更新し、記録して整理し続けること。初期には必ず多くの空想が含まれるが、それも自分の成長や心の歩みを記録することになる。
2.実践し、友人を作り、探求すること。
人との関わりの中で、人間の性質をありのままに観察し、新たな対象関係の体験を育んでいく。
階級的な立場として、普通の庶民と接すること。『普通の人が本来の十全さを感じるには』『社会の下層で働く人々の素朴な真・善・美とつながるには』
3.「自分を愛し、自分らしくあること」に力を注ぐこと。
4.『マルクス+荘子:普通の人、寝そべる人のための哲学』『マルクス+荘子+心理学:下からのマルクス主義』。サイバーパンク的な、アトム化した個人として、生き、成長していくこと。いつの日か、普通の人にとっては、成功哲学よりも寝そべりの哲学のほうが重要だと気づくだろう。
『努力は見せかけの概念、力めばずれる、自然の成り行きに任せよう』